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CHINA

中国

The Asia Foundation(TAF)は、中国における法的整備やガバナンス改革、非営利組織の育成、女性の社会参画などを支援するプログラムを実施しています。

中国社会は経済変革による急激な変化の中で新しい局面を迎えており、経済と社会環境の安定確保に向け、政府は効率的な改革の実施を迫られています。大学やシンクタンク、NGO、行政機関など、幅広い分野における現地パートナーの協力により、財政的支援、専門家の育成、技術支援を通じた変革の実施と、それに伴う社会の変化への対応のための支援を行っています。

法的整備

中国の開放政策と改革による市民の自由拡大に伴い、法規則は増加したものの、経済の成長速度に対して法整備と専門家の育成が十分でない現状です。こうした背景をもとに、TAFでは法的支援制度の整備、行政法の改革、労働法の周知と遵守を中心とした司法関連のプログラムを行っています。

法的支援センターの運営と研修の実施や法律関係の教育のための助成を行い、官民双方の法的支援の意識向上に努めてきました。2005年9月から2006年4月にかけて内モンゴル自治区の法的支援センターで扱った167の訴訟のうち、96パーセントが相談者の利益を守る結果となりました。予定していたプログラム期間の終了後、中国政府はセンター維持のための予算を確約しており、プログラムは現地で深く根付いています。

国家行政学院の開催による法学者を招いたワークショップでは、不当な行政規則などによる被害者の損害が適切に補償されていない中国の国家賠償法について、改正が論じられています。2006年6月には法改正のためのプログラムの一環として、法学者と最高人民法院及び全人代の幹部らが、国家賠償法の連続セミナーへ参加し、米国の訴訟事例との比較研究を行い、研究者や連邦政府及び州政府の弁護士や判事など行政法の専門家との意見交換を行うための米国訪問を支援しました。また、法学者と幹部らのグループへは、公聴会を開くための基本的な手続きを含めた行政手続法の研究と草案づくりのための支援も行い、策定された草案は全人代に提出され審議を受けています。さらに、中国における公益法の施行とその拡大を目指した一連のプログラムにも、法律の専門家や弁護士といった主要なパートナーとともに取り組んでいます。

ガバナンスの改革

経済発展により中国の国民生活が豊かになる一方で、公害の発生や土地の収用、非効率的な国営企業の改革といった重大な問題が浮上しました。これらの諸問題に対する政府の積極的な取り組みが求められており、政策や管理面での新たな課題が増えつつあります。過去数十年に渡って実施された地方分権化により、基本サービスが多くの地方自治体の財政によりまかなわれている半面、その他のサービスは縮小規模にあります。非政府セクターがサービス提供者としての新しい役割を担い、政府は公的意志決定における透明性の増加と国民参画を目指し改革をすすめています。政治への国民の参画に関しては政策の策定段階にありますが、NGOや住民、地方自治体による様々な試験的な試みがなされています。

TAFのガバナンス改革プログラムは、地域団体やNGO、市民や政府との円滑なコミュニケーションと建設的な対話を通じ、政府の政策決定における透明性と国民参画の促進、変化する地方経済政策における農業従事者の利権保護に向けた組合づくりを支援しています。

ネットワークづくり、連携の推進、遠隔地域における情報交換体制の整備などに取り組む中国のNGOに対し、活動の拡大と深化のための支援を行っています。能力開発研修、セミナー、フォーラムの開催や、小額助成、様々なネットワークづくりのための場の提供など、550を越える団体に所属する1,000人以上を支援しました。持続可能な開発プロジェクトの実施、貧困の軽減、地方の開発、女性の社会参画、環境保護などを目指す現地NGOの能力を伸ばすための支援も行っています。

雲南社会科学院及び地方自治体とともに、湿地の保護、地域の財政管理の透明性向上、農地灌漑の当局への支払いなど、様々な土地利用問題をめぐる紛争を話し合いによって解決する仕組みづくりのプログラムを支援しています。
河北省の青県では、農業協同組合を自らが民主的に運営し収益を上げる力をつけてゆくためのプロジェクトを通じて策定された提案が地方自治体で採用されたことで、組合設立上での組織的な障害が取り除かれ、必要となる資産の基準も低く設定されました。こうして立ち上げた地域の組合により、農業従事者の団体交渉や取引交渉力をつけ、所得の向上につながりました。

市民の参加とコミュニティでの取り組みをすすめる災害救助と緩和のシステム向上のためのプログラムは2年目を迎えました。パートナーである中国政府民政部の災害救済局とともに、NGOと政府関連機関の協力関係をさらに強固なものにし、災害救援のための法の整備も目指しています。

女性移住労働者に対する支援と労働法の周知

中国の経済成長を支える柱となる労働者の多くは広東省の製造業に従事しており、その数は3,000万人を超えます。その半数以上を占める女性の多くは、初等あるいは中等教育を受けた後に働きに出た18歳から25歳の未婚者で、工場の組み立てラインで1日12時間もの長時間労働に従事することも少なくありません。TAFでは過去7年間に渡り、労働法の遵守と女性労働者に対する機会の向上に焦点をあてたプログラムを行ってきました。

リーバイ・ストラウス財団とのパートナーシップにより、1999年からこれまでにおよそ1,000以上の工場で働く女性移住労働者30万人以上に対し、公的サービスを提供するプログラムを実施しました。プログラムの主な目的は、現地関係者と地域社会のニーズを結びつけ、困難な状況に直面する移住労働者への社会的・経済的支援とスキル向上のための活動が行われるよう促すことです。

パール・リバー・デルタ地区の現地団体への支援により、健康、教育、カウンセリング、法的支援などのサービスを女性移住労働者達へ提供することが可能となり、約500件の従業員の権利と安全を守るための法的支援活動を実施しました。また、プログラムの一環として、新しく従事する労働者のための労働に関する権利と法律をやさしく解説した冊子の製作も支援しました。

2005年にはメイ・デパートメント・ストア・カンパニーの支援により、中国移住労働者のための職業訓練学校と大学入学のための奨学金プログラムを開始し、現在は同社を買収したフェデレーテッド・デパートが引き続きこのプログラムを支援しています。

マイクロソフト社とのパートナーシップでは、女性移住労働者を対象にしたIT技術講習を行い、将来のよりよい雇用の機会を得るために必要となるスキル習得を支援しています。コミュニケーション技術学習センターを設立し、女性移住労働者にコンピュータの基礎的スキルを教えるとともに、地域のコミュニティの中でも特に支援を必要としている人々に対して研修の機会を提供しています。センターの第1号は広東省に置かれ、初年度は1,160人がIT技術講習を受け、その多くが講師になるための研修を受講し、2年間で3,000人を越える人々がIT技術の基本講習を受けています。