


Environment
生態系の維持、きれいな空気、安全な水と食料、適切な疾病管理、気候調整、経済的な生活、そして地球が生み出す自然の美は、アジアに住む人々の健康と繁栄のために欠かせないものです。急速な経済的発展に伴う環境の悪化に伴い、長期的な環境保護の重要性が高まりを見せ、民主化により環境保護のあり方についての議論が活性化しています。アジアの都市部や農村部の地域社会、政府、企業、市民社会は、これまで以上に地球規模・地域レベルでの生態系悪化による影響に注目し、生態系の持続可能性に取り組んでいます。
The Asia Foundation(TAF)は、各国の現地パートナーとともに、環境への責務の向上、経済的な発展、人々の健康増進を目指した市民参加型の取り組みを行っています。生態系を配慮した環境マネージメントの手法を採用し、国際社会と協調したアジア諸国の環境への取り組み強化がはかれるよう留意しています。
経済や社会制度が原因となる環境汚染や、慣習による環境への悪影響は、ごく頻繁に起きています。原因を整理し、主な関係者が環境マネージメントの改善の恩恵を受けられるプログラムを考案し、現地の実情に見合う改善策の実現のため、個人や団体の能力向上促進と、課題に対する体系的な取り組みを行っています。
1990年代前半に開始した地域の大規模な環境イニシアチブ以来、地域や国レベルの様々な環境プログラムを組み合わせた改良を重ね、現地の専門スタッフの知識とネットワーク、基礎研究と分析調査、アジアのNGOと企業の環境マネージメントモデル、共同プロジェクトの発案など、さまざまな領域におけるパートナーシップを推進しています。プロジェクトはアジア全体と各地域の関心を同時に包括するよう設計されており、中国とアジア全域における水質汚染の改善や、モンゴルにおける鉱業の環境基準の適正化、フィリピンでの参加型の土地利用への取り組み、ベトナムとモンゴルを含む南アジアと東南アジア全域における環境情報への分野を超えた情報開示の実現などが含まれています。
アジア太平洋地域の17箇所の拠点を通じた活動により、地域または国際的な環境問題に携わる多くの人々とのパートナーシップを推進しています。様々な機関や分野、環境問題に対する異なる観点を持つ関係者をバランスよく招聘し、合議の上でプロジェクトを進めています。地域の一般市民の参加促進や、複数のセクターにまたがる協調体制の構築などを通じ、アジアの地域・国家・政治が複雑に絡み合っている地方や、国境を越えた環境問題の協力的な解決に取り組んでいます。現在のプログラムは、科学的データに基づく環境マネージメントアプローチと政策づくりを通じ、複数のセクターによる環境問題の解決を目指す取り組みを支援しています。
急速な工業化により、世界的な標準から見ても中国の大気や水質の汚染度、土壌の劣化度合いは高く、さらに天然資源に関する諸問題も浮上しています。特に、中国の河川と地下水の汚染は深刻な状態にあり、水資源は急速に枯渇し汚染が進行しています。中国の諸機関や規制当局、鉱業連合会や地域団体とのパートナーシップにより、単に問題を解決するという処置だけではなく、新たな水質汚染の防止まで見据えた中国河川の総合的な環境プログラムの方策を考案しています。
無公害生産によるクリーンな河川プロジェクトでは、公的機関、企業、市民が互いに水へのかかわり方を変えることを目的としています。
エコ・アジアは、アジア各国政府やその他の政府機関とのパートナーシップにより、アジアの都市部貧困地域へのきれいな水と公衆衛生の提供、環境規則の遵守と強化、メコン川下流域での水質をめぐる国境を越えた紛争の解決を目指す、7年構想のプログラムです。米国環境保護省との取り組みでは、情報を共有しアジア全域へ展開してゆくための地域的な対話を推進しています。エコ・アジアプログラムはインドネシア、フィリピン、スリランカ、タイ、カンボジア、ベトナム、インドで実施しています。
エコ・アジアでは、国別の環境ガバナンス活動における運営や技術支援、女性の参画促進、少額の助成金等の提供を行っています。パイロットプログラムのための試験的助成金を活用し、都市の人口密集地域の水道・公衆衛生事業者の効率改善を目指しています。地方自治対の環境に取り組む力を向上させるため、アジア環境履行実施ネットワーク(Asian Environmental Compliance and Enforcement Network)といった地域ネットワークの拡大支援を行っています。国境を越えた争議解決に向け、メコン川委員会の権限拡大と参加国の誘致に取り組んでいます。
安全な未来を確保するためのプログラムでは、モンゴルの経済的発展と、価値ある人材や天然資源を保護するための、持続可能な環境マネージメントの実践を推進しています。環境政策や法の整備、透明性の高いライセンスと許可供与、水質のモニタリングへのコミュニティや学生の参画を促進する公的監視システムについて、政府、企業、NGOなど複数セクターを交えた建設的な対話を推進してきました。幅広い分野の関係者との対話、アドボカシーと市民の意識向上、環境教育と水質モニタリング、環境に配慮した金やその他の金属・鉱物製品の新たな市場の開拓を通じて、現地パートナーとともに国家全体で鉱物採掘の基準を向上する支援を行っています。
プーケットでは、TAFのパートナーであるグリーン・リーフ財団(GLF)と環境基準開発協会とともに、2004年の破壊的な津波被害後のホテル再建に伴う環境への影響削減に取り組んでいます。ホテルやリゾート施設のグリーン・リーフ環境監査プログラムへの参加誘致により、企業の環境に対する取り組みを向上し、費用削減を実行し、環境保護への取り組みをセールスポイントとし、そして地域の価値ある天然資源を守る新たな方法を見い出しました。TAFとGLFは20のリゾート施設を対象とし、環境への影響削減を低コストで行う方策の発案に向け、ワークショップの企画運営、技術支援を行っています。津波で深刻な被害を受けた町のホテル経営者や幹部の参加を誘致することにより、ホテルの従業員や宿泊客の健康と安全、周囲の自然環境の改善を期待しています。